中野弘彦展





独り草庵 1989





根源なるもの 1996





中野弘彦の無常

梶川芳友


中野弘彦は風が描ける。雨が表現できる。
時間の流れを風の中で感じ、風に学び、風の色が見えているようである。

私が初めて中野弘彦に会ったのは、1971年京都同時代展の集まりであった。それから8年間、中野弘彦の歩みを注意深く見続け、その後に個展の依頼をした。しかし、制作は進まず10年の時が流れた。その間に、私は中野弘彦から100通を越える多くの書簡をもらっている。展覧会評、1点の作品について、芸術観、作家論、と多岐に渡りいずれも真摯で厳しく、確たる自分の考えで語られていた。まるで独り言のような、それでいて心打たれるものであった。

10年の歳月を要して開いた展覧会のテーマは「無常」である。
「無常の最終形態は死である」と考える中野弘彦は、藤原定家や鴨長明の思想を通して自らが考える哲学を視覚化し、平面に表現している。虚妄に溺れる現代にあって、忘れかけたものの回復を訴えているようである。
絵とは何か、人間とは何か、を考えさせてくれる作品群である。





年譜


1927 山口県に生まれる
1945 京都市立美術工芸学校 卒業
1952 新制作展初入選
1967 中断していた絵画を本格的に始める
1989 何必館にて「藤原定家と鴨長明の無常 中野弘彦展」開催
1996 何必館にて「中野弘彦 山頭火と芭蕉 展」開催








関連グッズ

中野弘彦画文集

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中野弘彦 山頭火と芭蕉

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