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![]() それはありふれた9月のある日 |
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今や世界が注目する女流写真家サラ・ムーンによる、アンデルセン童話「マッチ売りの少女」を映像、写真化した最新作です。時代や国境をこえて、世界中の子供たちに親しまれている原作をリメイクし、深い洞察力と独自の美意識を備えた現代の幻想譚を創造しています。
本展は、サイン入りオリジナルプリントと、サラ・ムーン自身の詩情あふれる文章によって構成。同時に、映画監督としても高い評価を受けている彼女の映像作品「サーカス」も特別上映いたします。 |
![]() ジェーンは線路沿いに、橋の下を駆けてゆく ![]() この日の晩、雪がまた降り出した |
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儚さの情景 梶川芳友 |
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サラ・ムーンの毛筆による一点の書がここにある。
一昨年、何必館での「過ぎゆく時 サラ・ムーン展」に来日し、彼女が初めて書いた、墨による「儚」の一文字である。 滞在中、彼女は夫のロベール・デルピール氏とともに私の自宅を訪れ、私がコレクションするさまざまな筆、墨、硯、紙の美しさに感嘆した。和紙には最も興味を示し、漢字の意味と造形、そして日本文化への強い興味から、書に挑戦したのである。 彼女に一番好きな言葉を聞くと「 」と答えた。「エフェメール」=「儚さ」その一語を揮毫したのである。2002年の夏、私はパリの自宅に招かれ、新しく制作された映像作品「サーカス」を見る。「カルティエ=ブレッソン 疑問符」以来、サラ・ムーンの映像作品に強く惹かれていた私は、写真と文章、映像作品を組み合わせた一冊の本を作りたいと思った。 その後さまざまな試行錯誤の末、オリジナルプリントと手漉和紙、DVDがひとつになった限定本『サーカス』を完成させた。そして何必館・京都現代美術館のコレクションに、「サーカス」の三十四点の写真作品と詩情あふれる直筆の文章、映像作品が加わることになったのである。 「より創造的なことは、子供時代により近く在ること」サラ・ムーンの言葉である。誰もが読み聞かされ、想像を膨らませて遊んだ童話の世界。華やかさや懐かしさ、危うさや悲しさ、さまざまな感情が複雑に織り上げられた、ひとときの空想の世界である。 深い洞察力と洗練された美意識を備えた、現代の映像童話ともいうべき「サーカス」は、アンデルセンの『マッチ売りの少女』をモチーフとしながらも独自の物語を展開する。それは虚構のままに、観る者に不思議な余韻をもたらすのである。 儚さの情景を描くサラ・ムーンの物語がはじまる。 |
| 年譜 |
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